きつねとたぬき

記事編集:尾崎を語る会会員


尾崎の昔話(3)きつねとたぬき 
上杉太郎

尾崎の地には多くのきつねの話、たぬきの話が残っている。
本当か嘘かは別として、大変淋しいところが多かったようだ。

年配の方々は小さい時、誰もがきつねに騙されたとか、ちんころが出たと言う話をじかに聞いたことだろう。

「ノットの《たかぼうず》」「薮の下のちんころ」「丸太橋のきつね」「掘止めのけつね」「唐船のけつね」「三軒浜のけつね」「夫婦岩のけつね」「清水橋のけつね」今思い出しただけでもこんなにある。

中でも、掘止のけつねは品がよく、十七・八の娘に化けて、下駄音を高く、カラコロ、カラコロと縞の着物をきちんと着た、美しい姿だったらしい。
通行人を惑わせることしばしば。

この話は、実際に私の祖父が体験したことである。
掘止というのは、御崎線の塩田中にある東浜労働会館辺りを言う。



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